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大鎌の柄尻を地面に突き立てて魔法を放っていたレインは、4人とティナの間に入るように回り込む。
そんな彼をティナは鋭く睨み付けた。
「やってくれるじゃない……」
「邪魔はさせないよ。キミの相手は僕だ」
「いい度胸ね」
ティナは身体の感触を確かめながら立ち上がる。
4人は樹木を上手く利用して彼女の視界から外れていた。
今すぐ追えば追い付けるのだが、ティナはそうしなかった。
「まぁいいわ。彼らはあのバカに任せとけばいいし」
そのバカが誰なのかわからないレインは首を傾げる。
「それよりも……アンタを先に倒さないとね」
瞬間、フラムルージュの炎が勢いよく揺れ出した。
「っ!」
咄嗟に跳び退くレイン。
ティナの標的が自分に向いたということは作戦成功なのだが……。
――これはちょっとマズいかも……。
内心では冷や汗がダラダラだった。
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