交流試合開始

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 ◆ ◆ ◆ ◆ 「ここから先は行かせないぞ!」 陽動部隊の1人、ルミナリエ・ラインホルトはそう言って薙刀を構える。 彼女の目の前には2人の男女。 男子の方は双剣を持ち、女子の方は杖だ。 そんな2人は先程のルミナの発言を聞いて口元を緩めた。 「この先にリーダーがいるのか」 「やったね。早くこの子を倒して進まなくちゃ」 もちろんこの先にクラッドはいない。 ――よし、引っ掛かった! 内心でほくそ笑むルミナ。 その表情は決して表に出さず、彼女は演技を続ける。 「しまった。私としたことが……。だがキミ達を倒してここを通さなければいいだけの話」 薙刀を握る両手に力を込め、片足を引いて腰を落とす。 「さぁ、来い!」 「言われなくとも!」 男子が駆け出すと同時に女子が魔法の詠唱に入る。 上級魔法を放つか、中級魔法を放つかのどちらかだ。 けれどルミナは中級だと確信していた。 こんな序盤から魔力を無駄に使うとは思えないからだ。 万が一上級魔法が来たとしても、ルミナにはどうにかする自信があった。  
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