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しばらく2人の視線が絡み合い、先にルミナが口を開く。
「さっきのはキミが?」
「えぇ。綺麗でしょ?」
地面に生えていた草木は凍りつき、光を反射して輝くそれは確かに綺麗ではある。
だが、今のルミナにそこまでの余裕はない。
「もしや、最近ベルリオーズの近くの洞窟に行ったことがあったりしないか?」
彼女の予想が正しければ、あの氷は……。
「よくわかったわね。確かに行ったわ」
――やはり……!
ルミナの中で予想は確信に変わった。
「お喋りは終わりにしましょ。降りてきたら?」
言うや、ルミナの返事を待つことなく、セリスは右手に握られた槍……エグルーダの矛先を彼女に向ける。
怪訝な表情でそれを見つめるルミナを余所に、突然槍の柄の長さが伸びた。
「っ!」
慌ててその場から跳び退くルミナ。
セリスの槍は躱すことができたが、更なる問題が彼女に迫る。
着地点の地面が凍っているのだ。
このままでは着地した時に滑ってしまうかもしれない。
ルミナは咄嗟に腕を地面に向けて叫んだ。
「【シャインスピアー】」
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