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◆ ◆ ◆ ◆
森の中をセントレスの生徒3人が歩いていた。
三角形の隊列を取り、それぞれが周囲を警戒する。
敵の姿は……ない。
「ふぅ……」
安心からか、後方の生徒が気を抜いた刹那。
先頭を歩いていた生徒が揺れたかと思うと、突然地面に倒れる。
後ろの2人はいきなりの展開に思考が追い付かない。
呆然としていると、今度は自分の隣の生徒が地に伏す。
残った生徒はようやく自分達が狙撃されたことに気付いた。
すぐさま銃弾が飛んできた方向を察知し、樹木の陰に身を潜める。
陰から少し顔を出して様子を窺うと、仲間の倒れている場所に雷が落ちた。
容赦のない攻撃で仲間の姿が消える。
彼はいよいよ焦りだした。
頻りに様子を窺うが、銃弾が飛んでくる気配はない。
――飛び出すか?いや、その時を待ってるかも……。
そんな考えが頭に浮かび、その場から動けない。
しかしいつまでも動かないわけにはいかない。
ようやく決心した生徒が飛び出そうとした時、彼の側頭部に強い衝撃が走った。
仲間と同じく地面に倒れる。
意識はあるのに身体が動かない。
上から雷が落ちてくる最中、彼は自分の無駄な行為に気付いた。
狙撃手が同じ場所から撃ってくるわけがない、と。
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