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ゴメン、と心の中で謝りながらその場を離れる。
向かう先は森の奥。
敵の陣地内に潜んでいた方が逆に安全かもしれないと思ったからだ。
正面からは進みづらいから、森を迂回して進むことにした。
万が一のことを考えて、レイン達とは逆の方向へ。
ところが、しばらく進んでも敵はおろか味方の姿すら見えない。
妙な感覚に戸惑いながら進んでいると、近くで木の枝が折れた音が耳に入る。
僕は反射的に樹木の陰に身を隠した。
って、僕の姿は見えないんだから隠れる必要はないんだった。
そう思いながら様子を窺う。
そこで目にしたのは意外な人物だった。
セントレス学園の生徒3人なのは間違いない。
1人は剣を持ち、紅い目をしたクールそうな美男子。
1人は龍の装飾が施された2つの斧を持ったショートカットの女の子。
そしてもう1人。
真っ白なローブに身を包み、僕と同じ仮面を着けた人物。
どう見ても敵リーダーだ。
――どうしてこんな所に……!
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