交流試合開始

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いきなりの三連続早撃ち。 それと同時に残りの3人が飛び掛かる。 シンはクロスの銃撃を籠手で防ぐと、向かってくる3人を冷静に分析する。 武器は剣、クロー、棍。 中距離も含むが、どれも接近戦だ。 スピードではやはりクローの男子が速く、棍が遅い。 その速さのバラつきで開いた差に潜り込んだシンは、3人の攻撃を躱しながら擦れ違い様に拳を叩き込む。 倒れる3人には目もくれず、その勢いのまま今度はクロスへ。 魔力弾の嵐を易々と掻い潜り、2人の距離はあっという間に縮まる。 3人と同じように振るわれた拳を、クロスは銃身を盾にして受け止めた。 「おっ?」 「らぁっ!」 驚きで動きが止まったシンにクロスの蹴りが放たれる。 けれどそんな攻撃が当たるシンではない。 クロスの前から姿を消すと、倒れている3人の中心に現れた。 「なるほど。お前は他のヤツよりできるんだな」 そう言って苦しそうに呻く3人を見下ろす。 ――魔法は使うなって言われてもなぁ……。 シンは困ったようにガシガシと頭を掻いた。  
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