交流試合開始

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「ククッ……ハハハハッ!」 だがそんな考えも、突然笑い出したクロスを前に吹き飛んだ。 「残念なのはてめぇの方だよ。俺様の武器の能力がこんなもんだと本気で思ってんのか?」 「何っ!?」 クロスは俯いているため表情は見えない。 けれどシンは不思議とそれがハッタリではないと感じていた。 武器を重くするだけなら、どうして攻撃の一瞬だけにしない? 攻撃する前と後も重くして何のメリットがある? 今思えば、そんな疑問も頭に浮かぶ。 「どうして俺様がわざわざ接近戦をするか、わかるか?」 確かにクロスは銃が武器にもかかわらず遠距離の戦いをしない。 シンも最初はこの変則的な戦い方に疑問を抱いていた。 「…………」 わからない。故にシンは無言を貫く。 「俺様の武器……インフェルノの能力は〈蓄積〉。この銃で受けた衝撃を全て吸収し、溜めたダメージを一気に放出できる。ただ、溜めたダメージに比例して重くなるのが難点だが……あんな使い方もある」 俯いていた顔を上げたクロスはニヤリと笑みを見せた。  
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