交流試合開始

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あんな使い方。その言葉にシンの側頭部がズキリと痛む。 同時に、目の前の相手に尊敬に近い念を抱いていた。 クロスは能力のメリットもデメリットも使いこなそうとしている。 リスクを受け入れ、それすらも利用しているのだ。 「でもいいのか? それを聞いて当たるバカはいないぜ?」 さすがのシンも能力を知っていて当たる真似はしない。 それに、銃が重ければ照準を合わせるのも難しい。 それでもクロスの笑みが崩れることはなかった。 「心配すんな。てめぇはそこから一歩も動けねぇんだからよ」 瞬間、シンの背後から2本の腕が伸びてくる。 気付いた時には、彼は残っていた男子生徒に羽交い締めにされていた。 「なっ!? お前っ……!」 「撃て! クロス!」 叫ぶ男子生徒。 クロスが能力のことまで話したのはシンの注意を自分に向けるためだった。 さらに地面の色が変わり、2人の足が膝まで沈む。 土属性の魔法だ。 クロスは銃の柄尻に右手を添え、震える腕でシンに照準を合わせる。 「俺様の……俺様達の勝ちだっ!」 そして、引き金が引かれた。  
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