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銃口から放たれる金色の光。
それは銃弾と表すには小さすぎるほど大きな衝撃。
地面は抉られ、撃った本人すらも後ろに滑る。
それもそのはず。クロスは約半年間に亘って溜めたダメージを放出したからだ。
凄まじい速さで迫る衝撃に、シンは驚愕するしかない。
彼もここまでのものだとは予想していなかった。
「……畜生」
そんな呟きを掻き消すように、周囲は閃光と轟音に包まれた。
「ゴホッ、ゴホッ! ちとやり過ぎたか?」
舞い上がった砂煙が視界を遮る中、クロスは砂が入らないように目を細めながら辺りを見回す。
煙が邪魔だが、そこら一帯には折れた樹木が倒れていたりと酷い有り様だった。
――ここまでやればアイツも消えただろ……。
放出した衝撃は直撃したはず。
そう思い、クロスは身体の力を抜いて座り込もうとした。
その時、やけに熱い風が煙に混じって彼の頬を撫でる。
――まさかっ!?
「畜生……。ティナに負けた!」
そんな声と共に、熱風が吹き荒れ、砂塵を巻き上げた。
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