交流試合開始

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「【スパークフィールド】」 大鎌の柄尻を地面に突き立て、レインの周囲に電流が流れる。 ティナはそれを目にした途端、地面を蹴って跳び上がった。 ――同じ手は食わないわよ。 そう思いながら炎剣を両手で握り、腰の位置に構える。 しかしレインにとってこの行動は予想通り。 彼もまた、柄尻を地面から離し、大きく振りかぶっていた。 だがティナにとってもレインの行動は予想済み。 柄を握っていた左手を離してレインに向ける。 そして一言。 「【ヴァンアロー】」 放たれたのは3本の炎の矢。 突然の魔法にレインは驚くだけで動けない。 頭ではわかっているのに体が動かない、といった感じだ。 3本の矢は彼の肩、胸、腹に突き刺さる。 レインの表情が苦痛で歪んだ途端、矢が突き刺さっている部分が勢いよく燃えだした。 「ぐああああぁぁぁあぁあぁっ!」  熱い、痛い、熱い、痛い……。 あまりの苦しさに地面を転げ回るが、一向に火は消えない。 痛みで思考がぐちゃぐちゃになる中、レインは一か八かの賭けに出た。  
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