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「アークライト。ずっと好きだったんだ。俺と付き合ってくれ!」
真剣な表情で私に告白してくる男性。
しかし私は、またか……と思っていた。
彼……クラッドがいなくなってから私に告白してきた人数はこれで5人。
チャンスとばかりに迫ってきたこの人達に、私はイライラしていた。
だから私の台詞はいつもこうだ。
「ゴメンなさい。恋人がいるから」
それだけ言い残して立ち去ろうとすると、焦ったような声で呼び止められる。
が、私は止まらない。
すると、
「恋人ってクロムウェルだろ?」
私の足が、止まった。
「……そうですけど」
振り向けば、彼にはもう焦った様子はない。
代わりにあるのは、余裕の笑み。
「アイツは死んだんだろ? ニュースにはなってないけど、この学園じゃその噂が流れてるぜ?」
――拳を握り締める。
「クラッドは死んでない」
「だったらどうして帰ってこないんだ?」
――唇を噛み締める。
「それは、何か理由があって――」
「恋人にも伝えずに? なら猶の事、そんな男なんて捨てて俺と付き合えよ」
――でも、我慢の限界。
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