交流試合開始

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大鎌を抱くように身体に押し付け、魔力を流す。 放たれる〈放電〉の能力。 3倍の威力になった電流がレインの身体を駆け抜けた。 「ぐあああぁぁあっ!」 服が爆ぜ、稲妻がレインに纏わり付く。 それが一気に膨れ上がったかと思うと、次の瞬間、稲妻が周囲に飛び散った。 「はぁ……はぁ……」 うつ伏せに崩れるレイン。 魔法陣の効果で火傷はないものの、制服はボロボロ。 けれど、あれほど勢いよく燃えていた炎は消えていた。 「やるわね。まさかあんな荒技で炎を消すなんて……」 「へへっ、まぁね……」 レインはそう答えて立ち上がる。 しかし足元はかなりフラついており、誰が見ても満身創痍。 「でも、そんな状態でこれ以上戦える?」 ティナは勝ち誇った笑みを浮かべて剣を構えた。 対するレインも大鎌を構えるが、刃の位置はかなり低い。 柄だけ持ち上がっていて刃は持ち上がってない感じだ。 もっとも、今のレインには武器が使えるかどうかなんて問題じゃなかった。  
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