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ティナの足元に直径2メートル程の魔法陣が浮き上がる。
彼女の言葉が嘘だった時のことを考えた、一撃で仕留め切れるギリギリまで威力を下げた大きさだ。
それと共に、ティナの上空に魔法陣より少し大きいぐらいの暗雲が出現する。
一瞬後、灰色の雲の中から一筋の青白い閃光が彼女に降り注いだ。
暗雲が出現した時点で斬り上げていたティナの炎剣と青白い閃光が激突する。
「はあぁぁっ!」
腕に伝わる重い衝撃と身体に流れる痺れを堪え、ティナは力強く剣を振り抜く。
フラムルージュの柄から離れる炎の刃。
それは青く揺らめく斬撃と化し、閃光を真っ二つに斬り裂いた。
「そ、そんな……」
雷撃はティナの左右に突き刺さり、地面を焦がす。
その様子を目の当たりにしたレインは驚愕に目を見開きながら膝をついた。
――上級魔法を……斬り裂いた!?
「はぁ、はぁ……」
驚くレインと違い、ティナは荒い呼吸を整えながら全身から噴き出す汗に身体を震わせる。
――やった……!
今さらながら恐怖で震え始める身体を、握り拳をつくることで堪えるティナ。
その間レインの視線は焦げた地面に釘付けだった。
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