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その視線に気付いたティナは、彼の気持ちを読み取って口を開く。
「アンタの魔法、悪くなかったわ。でもね、私達はもっと苦しい戦いを経験したことがある。もっと恐ろしい魔法を見たこともある。到底敵わない人達の戦いを見たこともある」
思い出すのは、闇への誘導者の魔法、ユリウスとの戦い、冥王の戦い。そして、今はいないもう1人の仲間。
「それに比べれば、今の魔法なんて恐ろしくも何ともないわ」
精一杯の虚勢を張るティナ。
けれどそう口にするだけで、不思議と身体の震えが治まっていく。
その凛とした雰囲気に、レインは自らの敗北を悟った。
――勝てない……。
自信に満ち溢れた彼女に何をしても無駄だろう。
仮に勝負を捨てていなくても、上級魔法はボロボロだった彼の身体にトドメを刺した。使った反動でレインはしばらく満足に動けない。
それは誰が見ても一目瞭然なのだが、ティナはフラムルージュの柄に再び青い炎を灯す。
――油断はしない。確実に倒す!
「フラムルージュ、能力完全解放」
炎は青みを増し、刃も更に大きくなる。
ユリウス戦で使った炎の大剣だ。
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