交流試合開始

50/87
前へ
/395ページ
次へ
左へと跳ぶルミナ。 けれど完全には避け切れず、横っ腹が抉られる。 魔法陣の効果で直撃こそしなかったものの、制服は裂け、肌に切り傷ができあがった。 「くっ……!」 傷がズキリと痛むのを堪え、ルミナは薙刀を振るう。 まさか避けられるとは思っていなかったセリスは、驚くよりも先に後ろに跳び退く。 だがルミナの武器もリーチが長い。 その刃は離れようとしたセリスに易々と追い付き、右の二の腕に傷をつくった。 「きゃっ!」 ――浅い!魔法陣の効果か……! 互いに着地し、互いに思考を巡らせる。 ――斬撃系の武器じゃ気絶するほどのダメージは与えられない……。それなら! 辿り着いたのは同じ考え。2人は互いに左手を向け、吼える。 「【アクアスパイラル】」 「【フォトンブラスト】」 渦巻く水流と形のない純粋な衝撃波。 その2つがぶつかり合い、相殺される。 飛び散った水が雨のように辺りに降り注いだ。 その瞬間、ルミナは重たい衝撃に襲われた。 水属性の中級魔法、【ウォーターレイン】。 一滴一滴が鉛のように重くなった雨がルミナを襲う。  
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43148人が本棚に入れています
本棚に追加