変わらない想い

3/5

43147人が本棚に入れています
本棚に追加
/395ページ
「あなたに……」 ――あなたにクラッドの何がわかるのっ! 左手に私の魔武器……ホーリーレイを出そうと構えた途端、目の前にいた男の姿が一瞬で消えた。 代わりに、別の人物がそこにいた。 「……シン」 どうしてシンがここに?なんてことは聞かない。 大方私の後をつけて見ていたんだろう。セリス達と一緒に。 「おい、エレナ」 不意に、シンが口を開く。 シンは私を一瞥した後、冷たい眼で、少し離れた所に転がる男を見据える。 「お前が手を出すまでもねぇ。コイツは俺がやる」 「くっ……デヴァイス……」 男はシンに殴られて吹き飛ばされたらしく、片手で頬を押さえながら立ち上がった。 「人の告白の最中に割り込んでくるのは無粋だと思わないのか? 邪魔をするな!」 「邪魔……? 邪魔はテメェだろ。クラッドとエレナの間にはな、お前が入り込む隙なんて少しもねぇんだよ。 これ以上エレナに付きまとうなら俺が相手になるぜ?この“紅蓮の炎者”がな!」 瞬間、シンの身体からオレンジ色の炎と化した魔力が溢れ出す。 「っ!」 その威圧感に圧された男は、目を見開きながら尻餅をついた。  
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43147人が本棚に入れています
本棚に追加