交流試合開始

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もしあのまま気付かずに突っ込んでいれば、透明と化した刃に自ら串刺しにされていたことだろう。 セリスは思わず冷静になった自分を褒めた。 だがそうなると、武器を消したルミナの行動は不可解だ。 通用しないと言ったが、果たしてそうだろうか?使いようによってはいくらでも方法はある。 「それじゃ何? 今度は魔法の撃ち合いでもしようってわけ?」 冗談で言ったつもりだったが、意外にもルミナは頷いた。 「キミも同じ考えだったか。理解が早くて助かる」 「本気だったんだ……」 「ただ撃ち合いとは違う。できればこの一撃で決着をつけたい」 あまりに真剣な表情にセリスも戸惑う。 「別に構わない……っていうか、願ってもないことだけど、突然どうしたの?」 当然の疑問だろう。今までチマチマ戦っていた相手が突然一発勝負を提案してきたのだから。 これまでの戦いは何だったのかという話だ。 けれどルミナは困ったような笑みを浮かべて口を開く。 「正直私は女の子が傷付くのを見たくない。先程の氷のあれはすまなかった。魔法で治るとはいえ、綺麗な肌に傷が付くのは嫌だろう? キミが男なら散々いたぶってやったのだが……」 それを聞いたセリスの笑みは引き攣っていた。  
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