交流試合開始

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彼女の頭の中ではシンがルミナにボコボコにされている構図が浮かんだが、それを振り払って気を引き締める。 ――今はこっちに集中しないと。 「それじゃ、いくよ」 「うむ」 2人は同時に魔力を込め始める。 どちらが先に魔法を完成させるか、どちらが強力な魔法を放つか。2人の勝敗を賭けた競争だ。 時間にして2秒。先に動いたのはルミナだった。 「【スターレイド】」 光属性の中級魔法、【スターレイド】。 ルミナの周囲に7つの光が収束し、それら全てがセリスに向かっていく。 一直線に進むものもあれば、曲線を描きながら進むものもある。 背後と下側を除いた多方向同時攻撃だ。 ――くっ、早い! 対するセリスは少し焦っていた。 それでも集中を切らさないよう、光線を見ないように目を閉じる。 そのおかげか、彼女の魔法の完成は光線が当たる前に間に合った。 「【リヴァイヴノア】」 水属性の上級魔法、【リヴァイヴノア】。 カッと目を開くと共に地面から高々と噴き出した水の壁。 それはセリスを守るように立ちはだかり、光線の貫通を許さなかった。  
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