交流試合開始

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 ◆ ◆ ◆ ◆ 「クラッドが消えた!?」 守護部隊からの報告を耳にしたレナは思わず叫んでしまった。 否、叫ばずにはいられなかった。 勝敗を決める重要なポジションであるリーダーが無断で動く。叫びたくなるのも当然だろう。 「ゴメン。突然姿が見えなくなって……」 申し訳なさそうに俯く守護部隊の生徒を見て、レナは額に手を当てながらため息を吐く。 「謝る必要はないよ。勝手に行動したクラッドが悪いんだから」 ――これで負けたら縛り上げて学園の屋上から吊してやるんだから! と、心の中で意気込んでいると、事情を知った守備部隊の他の生徒達も集まってきた。 「クラッド君が消えたんだって!?」 「何やってんだよ、アイツ」 「まさか逃げ……るほど弱くないよな。何で消えたんだ?」 「どうするの、レナ?」 唐突な質問と共に、全員の視線がレナへと向けられる。 「えぇっ! 私?」 まさか自分に振られるとは思ってなかった彼女は慌てながら頭を捻った。  
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