変わらない想い

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「さぁ、どうする?」 一層眼光を鋭くするシン。 それを受けた男の首筋を汗が伝う。 「く、くそっ!」 やがてシンの威圧に耐えきれなくなったのか、男は私達に背を向けて一目散に逃げ出した。 「次はねぇからな!」 そんな彼の背中に向かって叫ぶシンを見て、思わず笑みがこぼれる。 もしシンが殴り飛ばしてくれなかったら、私はあの人に大怪我を負わせるところだった。 「ありがとう。シン」 私がお礼を言うと、シンは目を逸らして頬を掻きながらこう言った。 「別に、俺が殴りたかったから殴っただけだし」 まったく……誰かさんと一緒で素直じゃないなぁ。 「でも、さすがSSランク“紅蓮の炎者”だね」 シンが口端を吊り上げ、不敵な笑みを浮かべる。 何を隠そう、このシン・デヴァイスが最近巷を騒がせている“紅蓮の炎者”なのだ。 冥界から戻ってきた私達はSランクに昇格し、その後、シンとリオンは積極的にギルドの依頼をこなしていった。 結果、2人はたった数日でSSランクに昇格し、シンに至っては“紅蓮の炎者”という二つ名を得た。 もっとも、シンが依頼をこなす度に自ら広めていただけなんだけどね……。  
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