交流試合開始

61/87
前へ
/395ページ
次へ
「戦舞――」 「上っ!」 レナの鋭い声を耳にし、全員の視線が上空に集まる。 そこにいたのは大きな斧を振りかぶる1人の女子生徒。エミリア・クレディアス。 彼女は真下にいる守護部隊の生徒に狙いを定め、重力に身を任す。 生徒も自分が標的にされていることに気付き、自身の武器を召喚する。 片刃でほんのわずかに曲線を描いている剣に、顔を隠せる程度の大きさの丸い盾。 その盾を上に構え、反撃の準備を整える守護部隊の生徒。 だが、エミリアのソウルアックスの前では紙切れ同然。 「――滅爪!」 振り下ろされた斧の一閃は盾を真っ二つに切り裂き、傷付くはずのなかった身体を切り抜ける。 もちろん魔法陣の効果で直接切られてはいないものの、それは全て衝撃となって生徒に降り掛かった。 エミリアが着地した時には、生徒はすでに消えかかった状態で地面に倒れていた。 「い、今だ!」 あまりの強さに半ば呆然としていたレナ達だが、男子の声にハッと我に返って魔法を放つ。 火、雷、土。3属性の攻撃が5人から放たれた。  
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43148人が本棚に入れています
本棚に追加