交流試合開始

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それでも今更止まることはプライドが許さない。 「俺がアイツを止めるから、お前はリーダーを頼む」 片方の男子が両手に鉄製のトンファーを召喚しながらエミリアに向かい、その後ろにもう1人の男子が続く。 「聞こえてるよ~。私を止められるかな~?」 ゆっくりと双斧を振り上げたエミリアは、近付いてくる男子のタイミングに合わせて交差するように振り下ろす。 双舞 連牙。 正面から受け止めようとした男子だが、先程の盾を真っ二つにした光景が脳裏をよぎる。 「っ!」 咄嗟に刃の横っ腹を殴りつけて軌道を逸らした男子。 すぐさま横薙ぎの攻撃に移ろうとするエミリアの斧を、振り始める前にトンファーの棒部分で押さえた彼は、後ろに続いていた男子に視線を向けた。 男子は頷くと、彼の背中を足場に高く跳躍する。 その手に握られているのは二丁の銃。その銃口の先は敵リーダー。 「もらった!」 男子はそれぞれ3回引き金を引いた。 計6発の魔力弾が放たれ、それら全てが正確にリーダーの胸部を狙う。 だからこそ、ジーク・ブリジットには通用しなかった。  
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