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ジークは避ける素振りも見せず、白ローブの下から腕を出す。
彼の手に握られているのもまた双銃。
その銃口の先は……6発の魔力弾。
「ま、まさか……!」
同じ銃使いの男子はいち早くジークの行動を理解する。
そのまさかだった。
男子の撃った数と同じだけ引き金を引くジーク。
放たれた魔力弾は寸分の狂いもなく男子の魔力弾に命中し、撃ち落とす。
だがジークの……ジーク達の迎撃は止まらない。
「エミリア!」
「わかってる、よっ!」
エミリアは視線を向けることなく右手の斧を斜め後ろに向かって放り投げる。
飛舞 月光。
後ろ向きで投げたために全力とまではいかないが、それでも一般人が躱せるようなスピードではない。
ましてや男子は身動きのとれない空中。強烈な回転の掛かった斧が背後から迫る。
男子がそれに気付いた時には、斧は目前まで迫っていた。
「うわあぁぁっ!」
誰もが男子の敗北を確信する中、1人だけ諦めていない人物がいた。
「ちょっとは防御しようとしたらどうなの!?」
突如、動くはずのない男子の身体が横にズレる。
そのおかげで、斧は男子の真横を通り過ぎ、後ろの樹木を抉って深々と突き刺さった。
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