交流試合開始

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けれどトンファーの男子は振り返ることなく走り続け、彼を守るようにランスの女子が立ちはだかる。 ジークが彼女に向けて撃った魔力弾は無駄になり、トンファーの男子に向けて撃った魔力弾は、彼女がランスの柄近くの最も太い部分で受け止めた。 「チッ!」 ――仕方ない……。 ジークは舌打ちするや否や、ランスの女子の両サイドに銃口を構える。 放たれた2発の銃弾は、当然彼女の身体に掠りもしない方向へと飛んでいく。 彼女が怪訝な表情でそれを見送った瞬間、ジークは仮面の下でニヤリと笑みを浮かべた。 それと共に、突如銃弾が軌道を変えた。 弾の先にはトンファーの男子の背中。 「危ない!」 彼女が振り返って叫んだ時にはもう遅い。 仲間を信じて警戒していなかった彼は気付くこともなく魔力の塊に背中を貫かれた。 「【サンドストーム】」 ジークの攻撃はそれだけにとどまらない。 ジークから目を離していたランスの女子が視線を戻すと、目前に迫っていたのは砂嵐。 小さな小石が肌に当たる痛みを感じていると、彼女の身体が宙に浮く。 「きゃああああぁぁぁぁぁっ!」 悲鳴を上げながら、彼女は竜巻の中に呑み込まれた。  
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