交流試合開始

70/87
前へ
/395ページ
次へ
更にそれは軌道上にいた男子をも巻き込む。 竜巻の中で2人の身体が何度か衝突する中、ようやくエミリアが突き刺さっていた斧を引き抜いた。 彼女は後ろを向くや否や、鋭い声を発する。 「ジーク!」 ――よしっ! それを確認したジークは双銃を持ち直すと、盾代わりにしていた壁から飛び出す。 そこで彼が目にしたのは、背後で渦巻く竜巻と同じ魔法、【サンドストーム】だった。 先程エミリアがジークの名前を呼んだのは、合図ではなく危険を知らせる為だったのだ。 そのことに気付いたジークは自身のミスを嘆きながらも動くことをやめない。 飛び出した勢いのまま地面を蹴り、迫る竜巻から逃れようとする。 ――間に合うか!? いや、間に合わない。そう判断したジークは咄嗟に身体を反転させ、地面に向かって銃弾を放った。 被弾した場所から突き出た土の棘。伸びる方向は自分自身。 ジークはそれを宙に跳んだ状態で銃で受けると、その押される力を利用して一気に距離をとった。  
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43148人が本棚に入れています
本棚に追加