交流試合開始

72/87
前へ
/395ページ
次へ
火、雷、土。正確に言えば、火と雷が2人ずつ、土が1人。 そしてその属性を使ったのは……。 ――あの子か。 ジークの視線がレナを捉えた。 「やあっ!」 しかしその視線は強制的に外される。 レイピアの女子がいつの間にか接近し、その細剣を突き出したからだ。 ジークは身体を捻って刃を躱すと、銃を撃ちながら後ろに跳ぶ。 女子は横に駆け出して避けようとするが、銃弾は軌道を変えて彼女を逃がさない。 弾を曲げることに集中していたジークはもう1人の攻撃に気付くのが遅れた。 着地点を予想していた男子の銃弾だ。 集中が途切れたことで、女子を追っていた銃弾が逸れ、関係のない樹木を撃ち抜く。 ジークは防御しようと片手を上げかけるが、何かに気付くと手を下ろし、口元を緩めた。 そんなジークと銃弾の間に割り込んできた一振りの斧。 「お待たせ~」 それは迫る銃弾を易々と防ぎ、エミリアはジークの隣に降り立った。  
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43148人が本棚に入れています
本棚に追加