交流試合開始

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 ◆ ◆ ◆ ◆ 頭が真っ白になって、何を言われたのかわからなかった。 しかしそれも一瞬のことで、徐々に思考が働き始める。 ――クラッドだな? 目の前の彼は確かにそう言った。 彼は……僕を知っている……? 構えていた黒龍もいつの間にか下ろされ、自然と口が開く。 「僕を知ってるんだね!? 教えてくれないか? 僕は何者なんだ?」 ドクンと心臓が高鳴る。 やっと見つけた、記憶の手掛かり。 けれど、興奮する僕とは対照的に、彼は悲しそうに唇を噛むと、冷たい視線を僕に向けてきた。 「言えば、思い出すのか?」 その言葉がやけに耳に響いた。 あんなにうるさかった鼓動も、まるで止まってしまったかのように静かになる。 「俺の……俺達のことをこうも簡単に忘れたお前が、言えば全てを思い出せるのか?」 返事をすることができなかった。 何も言わない僕を見て、彼は言葉を続ける。 「覚えていないだろうが、お前は最後にこう言った。戦いの中に戻る、と」 彼は一度ゆっくりと息を吐き出すと、握っていた剣を構えた。 「構えろ、クラッド! ならばその戦いの中で、俺が全てを思い出させてやる!」  
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