交流試合開始

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「なら少しずつ思い出させてやる。そうだな……瞬光、穿衝、砕牙、絶空。斬影と虹翼は無理か。さぁ、どれがいい?」 「絶空だって!?」 自分の技の名前に思わず声を上げる。 いや、絶空だけじゃない。瞬光、穿衝、砕牙、斬影、虹翼。どれも聞き覚えがあって懐かしい。 名前が同じだけのようには感じられないし、もしかしたら……。 「絶空は思い出したのか? それならこれはどうだ」 そう言って、彼は剣を持つ右腕を後ろに引き、半身になって腰を落とした。 ――あの構えは……! 「ぐっ!」 次の瞬間、彼は歯を食いしばりながら正面に剣を突き出した。 空気の壁を突き破り、剣先から放たれる三日月に近い形をした衝撃波。 それが迫ってるというのに、身体が言うことを聞いてくれない。 当然、そんな僕の身体を衝撃波が貫いた。 「がっ……!」 腹部に走る激痛。 そして、脳裏が爆発したように真っ白になる。 「やはり剣では瞬光を完全には再現できないか……。だが、瞬光には違いない」 そんな言葉が、やけにはっきりと聞こえた。  
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