交流試合開始

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今のが……瞬光……? いや、違う! 「……バカにしないでくれるかな? 今のが瞬光だって?」 正面の彼を睨み付け、痛みでくの字に曲がっていた背筋を真っ直ぐ伸ばす。 まだ腹部がズキズキと痛むけど、我慢できない痛みじゃない。 「見せてあげるよ。これが本物の――」 右腕と右足を後ろに引き、腕から剣先にかけて魔力を流す。 「瞬光だ!」 瞬間、右腕が消失する。 突き破るは空気の壁。次に右腕が現れたのは、真っ直ぐ伸ばされた状態の時。 もう一度腕を引き、また消失。それをもう一度。 計3発の弾丸のような衝撃波が彼に向かっていく。 威力、速さ、数。彼の瞬光とは比べるまでもない。 彼は避けようと横に転がるが、跳んだ時に2発目の衝撃波が彼の片足を貫いた。 彼の表情が苦痛に歪む。そのまま一回転して立ち上がった時には、彼の足と右腕は震えていた。 「その右腕、痺れてるんじゃない? 慣れないことはするものじゃないね」 「まさかお前、記憶が……」 「次、いくよ。今度は何を思い出させてくれるのかな?」 僕の頭の中に、ある映像が映し出される。 その動きを真似れば、自然と理論も理解できた。  
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