交流試合開始

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黒龍を逆手に持ち替え、地面に突き刺す。 込めた魔力が刀身を伝って地面へと流れ、その状態で振り抜けば……。 「二ノ型 穿衝」 魔力が一気に地中を駆け抜け、地面に亀裂が生じる。 彼には横に跳んで避けられたけど、すごく懐かしい感じがした。 今まで外れていたものの中にすっぽりと収まったような、そんな落ち着く感覚。 「思い出したよ。僕の技だ」 瞬光、穿衝、砕牙、絶空、斬影、天竜、虹翼。全て思い出した。 「……そうか。ならばその調子で思い出してもらおう」 ふと、彼の声で我に返る。 見れば、彼の左手に握られているのは三つ叉の黒い槍。 闇属性魔法、【シャドウスピアー】だ。 僕がそれに気付くと同時に、彼は下手投げで【シャドウスピアー】を飛ばしてきた。 咄嗟に跳んで避けると、逃げた先にももう1本槍が飛んでくる。 これぐらいなら魔法を使うまでもない。 再び黒龍を地面に突き刺し、刀を通して流した魔力を足下で爆発させる。 黒龍三ノ型 砕牙。 僕の周囲に突き出た棘の壁が、【シャドウスピアー】を防ぐと共に掻き消した。  
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