交流試合開始

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それでも彼の攻撃は止まらない。 小さく唇を震わせれば、僕の頭上に漆黒を纏った巨大な球体が出現する。 闇属性魔法、【デスペラードボム】。 その効果を思い出すと同時に、僕の身体は動いていた。 棘の壁を乗り越え、外側に向かって跳躍。 今まで僕がいた場所に球体が落下すると、次の瞬間、棘や地面が深々と削られ、巨大なクレーターをつくりあげた。 どうかしてる。対人戦であんな魔法を使うなんて……。 「殺す気かっ!」 着地するや、反射的に口を出していた。 魔法陣の効果があるとはいえ、今のに当たっていればケガじゃ済まなかったかもしれない。 最悪、魔法陣の描かれたプレートごと削られてたかもね。 試そうとは思わないけど……。 「死にたくなければ眼の力を使えばいいだろう」 一方で、彼の台詞がこれだ。怒りを通り越して呆れてくる。 さっきから眼の力を使えとばかり。知らないものをどうやって使えと? 技を思い出したのもつい先程だし、また実践してくれるんですかと問いたい。 「【アースジャベリン】」 僕の周りの地面から槍の形を形成した数十の土が空高く飛び出す。 それはわずかな空中遊泳を楽しんだ後、彼の真上から一直線に落下する。  
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