交流試合開始

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「……レナ!?」 風に乗って耳に届いた3人分の声。その中の1人は明らかにレナの声だった。 他の2人の声も聞き覚えがある。確か彼と一緒にいた……そう、ジークとエミリア。 ってことは、レナは2対1で、しかもリーダーと戦ってるということになる。 僕が置いてきた守護部隊の人達は向かったのか? くっ……。僕もこんなことをしてる場合じゃない。 すぐさまレナの援護に向かおうとした僕だが、駆け出した足はすぐに止まる。 彼が僕の前に立ち塞がっていたからだ。 ―― 一瞬でここまで!? 「試合と記憶、どっちが大事なんだ?」 彼が問う。 そんなの、考えるまでもない。 「確かに記憶を思い出すのは大事だよ。でも、この試合は僕1人で戦ってるんじゃない。みんなが勝とうと頑張ってるのなら、僕も協力するだけさ」 左手を目の前の空間に伸ばし、強く念じながら空を掴む。 果たして、それは現れた。 その名の通り、刀と同じく黒一色に染まった鞘。 それに黒龍を納め、ゆっくりと腰を落とす。 「そのためなら、キミを倒してでも進むよ!」  image=416217607.jpg
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