闇の覚醒

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「僕のせいだ……」 あの時、1人で勝手な行動をしなければ……。 いくら拳を握り締めても、この気持ちが消えることはない。 過去をやり直せたらいいのに……。 「クラッドのせいじゃないよ。それに、守護部隊のみんなも1人の生徒に全滅させられたみたいだよ。クラッドが動いてなかったら、もっと早くに終わってたかもしれない」 そう言いながら、レインが僕の肩にそっと手を置いてくれる。 でも、レインの手もわずかに震えていた。 「……みんなは?」 「街を見に行ったりしてるよ。まだ気を失ってる人もいるけどね」 そっか、と呟き、肩に置かれた手を優しく退ける。ベッドから降り、乱れた制服を整えると、ドアの取っ手に手を掛けた。 「ちょっと、散歩でもしてくるよ」 振り返ることなく言葉を漏らす。いや、振り返れなかったと言った方が正しいか。 「うん、ゆっくりしてきなよ。6時までに戻ってこいだってさ」 僕は頷くと、逃げるように部屋を出た。  
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