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「クラッド! 起きて、朝だよ」
「ん……?」
小さな揺れとレインの声で僕はゆっくりと瞼を開く。
目を開けると、すでに制服に着替えたレインがそこにいた。
――今のは……夢?
まだはっきりと覚醒していない頭を働かせ、さっき見た夢を思い出す。
――封印? 覇王? ……ダメだ、何も思い浮かばない。
「どうしたの、クラッド? 大丈夫?」
一体自分がどんな顔をしていたのかわからないが、レインは心配そうに僕の顔を覗き込んできた。
「大丈夫だよ。ちょっと変な夢を見ただけだから」
「そう? ならいいんだけど……。とりあえず顔でも洗ってきなよ」
「そうするよ」
僕はそう答え、レインを残して階段を降りる。
1階まで降りると、制服にピンクのエプロン姿のレナと出会した。
「あっ、クラッド。起きたんだ。おはよう」
「おはよう、レナ」
「もうすぐ朝ご飯できるから着替えて降りてきてね」
レナはそれだけ言うと再びキッチンへ姿を消す。
それを見送ってから、僕も洗面所へ歩を進めた。
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