闇の覚醒

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脳裏が爆発したように真っ白になった。 頭の痛みは感じない。周りの賑わいも聞こえない。 ただ真っ白な世界の中に、様々な光景が映し出される。 入学式の日、初めて彼女と話した。 「道。こっちじゃないですよ」 翌日、仲良くなるきっかけができた。 「やっぱり面白い人ですね、クロムウェル君って」 名前で呼び合うようにもなった。 「ク、ク、ク、クラッド!」 ギルドでの初依頼の時も助けてあげた。 「も、もう大丈夫だから……」 デートだってした。 「今日はありがとう。楽しかったよ」 放さないと決めた手を放したこともあった。 「私を……守ってくれるんでしょ?」 お互いの気持ちを告白して、付き合い始めた。 「私はクラッドと一緒にいたい」 思い出の場所で、結婚の約束をした。 「ありがと!」 そして、あの戦いで……。 「クラッドぉぉっ!」 走馬灯のように流れていた光景が消える。 「思い、出した……」  
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