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「大きな揺れだったな……。何かあったのか?」
そう言ったシンが立ち上がって窓から外を覗こうとするのをリオンが止める。
「余震があるかもしれない。すぐにここを出たほうがいい」
リオンの言うことはもっともだ。私は部屋のドアを開き、そのまま宿泊施設を飛び出した。
続いて、セリス、ティナ、エミリア、ジークと順番に出て来たけど、シンとリオンの姿がない。
「2人は!?」
「後ろにいたはずなんだけど……」
最後に出て来たジークも不思議そうに首を傾げる。
まさか、まだ中に……?
「こっちこっち」
不意に、背後から声を掛けられた。
振り返ると、そこには得意気な表情のシンと呆れたような表情のリオンがいた。
どういうこと?
「窓から飛び降りただけだ」
私の……というより、みんなの疑問を察したリオンが当然のように答える。
そうか。その手があった。
ということは、リオンが呆れてるのは私達に対してなのね……。
「心配させるんじゃないわよ!」
例によって、ティナが未だ得意気な表情のシンの頭を殴っていた。
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