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顔を洗い、制服に着替え、朝食を食べ、準備は万端。
僕は手ぶらでいいらしく、特に何も持たずに3人揃って外に出た。
「ここから学園までどれくらいかかるの?」
レナが家の鍵を閉めてる間に、隣にいるレインに訊ねる。
「だいたい30分ぐらいかな」
「結構遠いんだね……」
「お待たせ。さっ、行こっか」
レナも鍵を閉め終え、僕達は道に沿って歩き出した。
家から半分程進んだ頃だろうか。
「あっ、ここら辺だよ」
突然レナが前に飛び出し、身体を反転させて地面を指差す。
レインは何か思い出したような声を漏らし、僕は首を傾げる。
「ここら辺の道の真ん中にクラッドが倒れてたんだよ」
「えっ!?」
思わず辺りを見回すが、特にこれといって変わったものは見当たらない。
そりゃそうだ。もう6日も経ってるんだから。
「変わったところとかなかった……よね」
2人は申し訳なさそうに頷く。
「たぶん何もなかったよ。ゴメン、クラッドのことで手一杯だったからよくわからないんだ」
「そっか。ありがとう……。さぁ、学園に行こう」
ここに手掛かりはない。
そう判断し、僕達は再び足を動かした。
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