ローレンツ学園

4/39

43147人が本棚に入れています
本棚に追加
/395ページ
顔を洗い、制服に着替え、朝食を食べ、準備は万端。 僕は手ぶらでいいらしく、特に何も持たずに3人揃って外に出た。 「ここから学園までどれくらいかかるの?」 レナが家の鍵を閉めてる間に、隣にいるレインに訊ねる。 「だいたい30分ぐらいかな」 「結構遠いんだね……」 「お待たせ。さっ、行こっか」 レナも鍵を閉め終え、僕達は道に沿って歩き出した。 家から半分程進んだ頃だろうか。 「あっ、ここら辺だよ」 突然レナが前に飛び出し、身体を反転させて地面を指差す。 レインは何か思い出したような声を漏らし、僕は首を傾げる。 「ここら辺の道の真ん中にクラッドが倒れてたんだよ」 「えっ!?」 思わず辺りを見回すが、特にこれといって変わったものは見当たらない。 そりゃそうだ。もう6日も経ってるんだから。 「変わったところとかなかった……よね」 2人は申し訳なさそうに頷く。 「たぶん何もなかったよ。ゴメン、クラッドのことで手一杯だったからよくわからないんだ」 「そっか。ありがとう……。さぁ、学園に行こう」 ここに手掛かりはない。 そう判断し、僕達は再び足を動かした。  
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43147人が本棚に入れています
本棚に追加