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家から歩くこと約15分。ようやく森を抜けることができた。
それはつまり、ベルリオーズの外壁を目の当たりにしたということ。
「やっぱり近くで見ると高いな……」
僕は顔を真上に向け、高く、大きく聳え立つ外壁に感嘆の声を漏らす。
これだけ高ければ万が一魔物が襲ってきても飛行能力のある魔物ぐらいしか侵入できないだろう。
「クラッド。置いてくよ?」
「ちょっ、待って!」
恐らく冗談だろうけど、僕は慌てて2人を追いかけた。
そしてほんの少し進んだ時、
「おじさん達、おはよう」
「おっはよー!」
突然2人の口から出た挨拶。
視線の先には、入口であろう頑丈そうな鉄製の大きな門。
そのすぐ下に、銀(しろがね)の鎧に身を包み、腰には長剣、手には槍を携(たずさ)えた屈強そうなオジサマ2人が立っていた。
しかし、レインとレナの姿を見ると厳つい顔は一変。
「おぅ、坊主達じゃねぇか。今日は少し早ぇな」
門番の片方――顎に髭を生やした男性が口元を緩めながら2人に声を掛ける。
「おろ? 後ろの坊主は見ねぇ顔だな」
するとやはりと言うべきか、オジサマ達の視線は自然と僕へ向けられた。
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