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『開門』
するとどうだろう。巨大な門がひとりでにゆっくりと開いていく。
だが、門の隙間が人が1人通れる程度の大きさまで開いた時、それは突然動きを止めた。
「あれ? 止まっちゃったよ?」
僕が不思議に思って門を指差すと、おじさん達は当然とでも言いたげに笑う。
「こんなデカくて開閉に時間がかかる門を全部開けるわけねぇだろう。だから大きな行事の時しか全開にはしねぇんだ」
「それに、全部開けるとなると俺達の魔力が半分まで減ってしまうからな」
どうやらこの門は魔力で開閉を行うらしい。
だったらもっと小さい造りにすればよかったのにとも思うが、今更だろう。
「ほら、早く通れ。ずっと開けてると俺達がどやされるんだからよ」
「うん。ありがとう。また明日ね」
「バイバーイ」
「ありがとうございました」
2人にお礼を言い、僕達は急いで門の隙間を通り抜ける。
チラッと後ろを振り返ると、門の内側にも同じような門番がいて、同じ動作で門を閉めていた。
――開閉で4人必要なのか……。大変だな。
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