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「ただいま……」
「おう、遅かったな。さては寝てるエレナに――って、どうした!? なんかやつれて見えるぞ、お前」
リオンの部屋に帰ってきた俺の顔を見るや否や、シンは座っていたイスと共に退きながら驚きを露わにする。
まぁ仕方ない。ここに戻ってくるまでに一騒ぎあったから。
俺の部屋を出た後、下に降りようとエレベーターを待っていた。
思えばここが地獄の始まり。上の階から降りてきたエレベーターには先客がいて、俺を見るなり、
「……クロムウェル!?」
や、
「生きてたのか!?」
など、みんな目を見開きながら驚いていた。
突然帰ってきたんだから驚くのはわかる。でも後者の台詞は酷くないか?
騒ぎを聞き付けた部屋の住人も出てきてさぁ大変。
舌打ちするヤツもいれば質問責めをしてくるヤツもいた。
黒コートを着たままだったのも災いし、おかげで精神的に大ダメージを受けて逃げてきたわけだ。
「あぁ……。そういやクラッド死亡説が噂になってたからな……」
俺の話を聞いたシンは頭を掻きながらそう漏らす。
そんな噂が流れてたのかよ……。
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