43147人が本棚に入れています
本棚に追加
/395ページ
「……すごっ……」
現在、ローレンツ学園の門の前。
そこでの第一声がそれだった。
まるで城門のように高い塀の向こうには、これまた城のような立派な建物が見える。
城のようにとは言っても見上げる程高いわけじゃない。横に長いんだ。
レナ達の話によれば、ここには元々城があったらしい。それが昔に崩れ、この学園が建てられたとか。
どうりでそんな雰囲気を感じるわけだ。
僕が唖然とする中、2人は隣でクスクス笑う。
「クラッドったら大袈裟」
「そうだよ。シルメシアにあるセントレス学園なんてもっと大きいらしいし、寮もあるんだから」
……確かに。
「さっ、いつまでもこんな所に突っ立ってないで早く行こ。クラッドは行く所があるんだし」
そう言って歩き出すレナ。続く僕とレイン。
門を通り抜けたことと、周りに生徒達がいることにより、僕はようやく学園に来たのだと実感する。
気のせいかな? 周りの人達の視線が僕に向けられているような……。
「ね、ねぇレナ。僕が行く所って?」
あまりの居心地の悪さに、逃げるようにレナに話し掛ける。
「決まってるでしょ。それは――」
最初のコメントを投稿しよう!