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「さて、まずは自己紹介をしようかの。ワシはディール・ローレンツ。見ての通りここの学園長をしておる」
「クラッドです。あの、僕の名前は――」
「事情は2人に聞いておる。なかなか大変な境遇らしいのぉ。
まぁ立ち話も何じゃ、座りなさい」
そう言って片方のソファーに手を向ける学園長。
僕は言われた通りソファーに腰を下ろす。
学園長は僕の前のソファーに腰掛けた。
「何から話せばよいか……。そうじゃのう……ワシの考えから話そう」
学園長は目を細め、立派な顎髭を撫でながら唇を震わせる。
「学園とは学ぶ場所じゃ。魔法、知識、戦術などをの。それはギルドで働くための者もおれば、城の兵士になろうと学ぶ者もおるじゃろう。
そして友と触れ合い、人として大切なことを学んでゆく場でもある。
じゃからワシは学園に通うことのできぬ者を少しでも減らしたいと考えておるのじゃ」
そこまで話した学園長は、優しい目のまま僕の目を見つめ始めた。
「ではクラッド君、キミに問おう。
キミはこの学園で勉学に勤しみ、友と触れ合いたいかね?」
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