ローレンツ学園

14/39

43147人が本棚に入れています
本棚に追加
/395ページ
「フォッフォッフォッ。では担任の先生を呼ぼうかのぉ」 手を放した学園長はそう言ってからしばらく黙り込む。 たぶん念話で僕の担任になる人と話しているんだろう。 やがて、念話を終えたらしい学園長は唐突に口を開く。 「クラッド君。自分の属性は覚えておるかね?」 「属性……ですか……?」 「うむ。魔力は記憶と違って身体が覚えているものじゃ。感覚でよい」 ――僕の属性か……。何となくなら……。 「風……ですかね。最近使ったような感じがするんです」 「ふむ。では初級魔法でも使ってみてはどうじゃ?」 学園長の提案は正しい。もし属性が違えば魔法は発動しないからだ。 「そうですね。ではいきます。【ウィンド】」 僕は覚えている知識の中から風の初級魔法【ウィンド】を引っ張り出す。 これならそんなに威力はないし、部屋が荒れることはないだろう。 そう思っていた。しかし、 「うわっ!」 「っ!」 室内に吹く風は……突風だった。  
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43147人が本棚に入れています
本棚に追加