目覚めと出会い

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「んっ……」 顔に熱を感じ、ゆっくりと瞼を開く。 途端、眩い光が目に入り、再び目を閉じてからもう一度開いた。 まず目にしたのは木製の天井。そして視線を右に移せば、開け放たれた窓から日が射し込んでいた。 「ここは……」 「あっ、起きたんだね」 声が聞こえてきたのは左側。 右にあった視線を今度は左に向ける。 そこには、食事を載せたお盆を持った少年が立っていた。 少し癖のある栗色の髪に、くりくりとした子供っぽい目。 人懐っこい笑みを浮かべ、童顔なのは間違いない。 「キミは……?」 「僕はレイン。いろいろ話したいことがあるだろうけど、人を呼んでくるよ。これでも食べて待ってて」 そう言って、レインと名乗った少年はお盆を置き、部屋の隅にあった階段を降りていった。 身体を起こし、改めて部屋を見回す。 あるのはタンスと時計と、今まで自分が寝ていたベッドだけ。 今の自分の格好は黒いTシャツとハーフパンツ。 部屋の造りから察するに、ここは屋根裏部屋みたいだ。 そして、少年が置いていった食事に視線を移す。 パンとスープというシンプルな組み合わせだが、丁度お腹も空いてることだし、ありがたく頂くとしよう。  
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