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学園長の机の上にあった書類が全て宙を舞う。
慌てて魔法を止めた時には、机の上の物や棚の中にあった資料が床に散乱していた。
止めるのが早かったからか、その他の物は無事だ。
「す、すみませんでした! 僕、こんなことになるとは思ってなくて……」
当然の如く頭を下げ、床に落ちた物を拾い集める。
すると僕の肩に優しく置かれる手。
「よい。提案したのはワシじゃ。片付けは後でワシがやっておく」
顔を上げれば、学園長は笑みを崩すことなくそう言った。
「でも――」
「年上の言うことは聞くものじゃぞ」
「……わかりました。ホントにすいません」
学園長は満足げに頷くと、何事もなかったかのように再びソファーに腰掛ける。
釣られて僕も。
「それにしても見事な風魔法じゃった。やはりキミの属性は風で間違いないようじゃのぉ」
そこで、話題は僕の属性の話に戻った。
あんなことがあったばかりなのにその話って……すごく冷静だなぁ。
「そうですね。でも威力が……」
「その加減も踏まえて、これから学んでゆくといい」
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