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学園長がそう言った時だった。
学園長室の扉を叩く音が耳に届き、僕達は口を閉ざす。
「どうやらキミの担任の先生が来たようじゃ。
入ってよいぞ」
「失礼します」
艶やかな声と共に扉が開く。
入ってきたのは声の通り女性。
燃えるように紅い、肩より少し長いであろう髪を後頭部で1つに束ねており、すっと流れるような顎と鼻は完成された大人の女性の顔つき。
そして何より、思わず目がいってしまうほどの豊満な胸。
「紹介しよう。彼女がキミの担任となる……」
「リディア・リートヴァインよ。よろしくね」
凛とした姿がそこにあった。
「そして彼が……」
そして、学園長は今度は僕に視線を向ける。
その意味を理解した僕は口を開いた。
「クラッドです」
「クラッド!?」
すると何故か驚くリディア先生。
「どうしたのじゃ?」
学園長が訊ねるが、リディア先生は何でもないと答えて僕を見る。
――何だったんだ、今の?
「それではリディア先生。先程話した通りに頼めるかの?」
「わかりました。彼のファミリーネームはどうします?」
その問題があった!と思い、僕は学園長に目を向ける。
「もう決まっておる。アルシュタートの名を使いなさい」
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