43147人が本棚に入れています
本棚に追加
/395ページ
◆ ◆ ◆ ◆
人気のない廊下に2人分の足音が響く。
その2人というのが、僕とリディア先生だ。
もちろん向かう先は教室。やっぱり緊張してきた。
「そんなに固くならなくても大丈夫よ」
そんな僕を見てか、リディア先生はニコッと微笑んでくれる。
うん。少しはマシになった。
「でも不安なんですよね。ちゃんとやっていけるか」
「大丈夫。みんないい子達ばかりだから。
あぁ、でも、1人厄介な子がいるわね。悪い子じゃないんだけれど……」
……不安がさらに強くなった。
「先生、そういうことは黙ってるものじゃありません?」
「あら? 私はあなたが後で困らないようにと思って教えてあげたんだけど?」
――先生がそこまで言う生徒って……。
「さぁ着いたわよ。ここがあなたのクラス」
そう言って止まった場所は、2―Aと書かれたプレートのある教室の前。
――ここが僕のクラスか。
「それじゃあ転入生のお約束。呼んだら入ってきてね」
最初のコメントを投稿しよう!