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「はーい、席に着いてー」
教室に入った先生の声が耳に届く。
同時に、少し騒がしかった教室内が静かになった。
「今日はみんなが騒ぎ出す知らせがあるわよ。
なんと、このクラスに転入生が来ることになりました!」
再び騒がしくなる教室内。
落ち着いていた緊張がどんどん高まる。
「先生、どんな人なんですか?」
「カッコいい男の子よ」
キャーッという女子の悲鳴?と男子の大きなため息。
よくあるよね、こういう展開。
でも先生……。ハードルは上げないでほしかった……。
「いつ来るんですか?」
「実はもうそこまで来てるの。
百聞は一見にしかずよ。入って来てもらいましょう」
途端に静かになる教室。
――さっきから声の突起が激しいな……。
「それじゃあクラッド君、入ってきて」
――きたっ!
最高潮に高まった緊張と共に、僕はゆっくりと扉を開けた。
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