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「さて、報告はこれで終わり。
無駄だとは思うけど一応言っとくわ。
あまり転入生を困らせないように。
もういいわよ」
その言葉を合図に、クラスの人達が一斉に動き出す。
――なんかみんな楽しそうだなぁ。
そんなことを考えている間に、僕(レナとレインも含む)はあっという間に人の壁に囲まれた。
「ねぇねぇ、どこから来たの?」
「何でこんな時期に?」
「好きな女の子のタイプとか教えて」
「属性教えてくれよ。あっ、俺は水ね」
「放課後に親睦を深めるために遊ぼうぜ」
……目が回りそうだ。
大体、僕が答えられることなんて限られてくるわけだし。
「えっと、あの……」
どう答えようか迷っていた時だった。
「みんな落ち着け。転入生が困っているだろう」
人だかりの後ろから聞こえた、割と低めの女性の声。
大して大きいわけでもなかったのにはっきりと耳に届いた。
同時に人だかりが半分に割れ、声の主であろう人物が姿を現す。
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