ローレンツ学園

21/39

43147人が本棚に入れています
本棚に追加
/395ページ
腰ぐらいまで伸びる真っ直ぐな灰色の髪、切れ長な蒼み掛かった紫色の瞳、1つ1つのパーツが整っている顔立ち。 美少女……いや、雰囲気的に美女かな。 「あっ、ルミナ」 するとレナが嬉しそうな声を漏らす。 ――ルミナ? どこかで聞いたことのある名前だな……。 そう思い、欠落している記憶を掘り返していると、意外にも向こうから話しかけてきた。 「やぁ転入生。身体の調子はどうだ?」 「あっ、はい、大丈夫です」 変わった口調だなぁ……と思いながら返答し、気付く。 「あの、もしかしてあなたが……」 「そうだよクラッド。彼女がキミを治してくれたんだ」 レインの言葉に驚く僕を見てか、彼女は微笑みながら手を差し出してくる。 「ルミナリエ・ラインホルトだ。ルミナと呼んでくれ。私もクラッドと呼ばせてもらおう」 「はい、ありがとうございました、ルミナさん」 治してもらった感謝を込めて手を取るが、ルミナさんは微笑したまま手を放そうとしない。 それどころか、握る力がだんだん強くなってるような……。 「私は敬語やさん付けが嫌いなんだ。もっと楽に話してくれないか?」 痛い、痛い、痛い! 「わかり……わかった! よ、よろしく、ルミナ!」  
/395ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43147人が本棚に入れています
本棚に追加