43147人が本棚に入れています
本棚に追加
/395ページ
腰ぐらいまで伸びる真っ直ぐな灰色の髪、切れ長な蒼み掛かった紫色の瞳、1つ1つのパーツが整っている顔立ち。
美少女……いや、雰囲気的に美女かな。
「あっ、ルミナ」
するとレナが嬉しそうな声を漏らす。
――ルミナ? どこかで聞いたことのある名前だな……。
そう思い、欠落している記憶を掘り返していると、意外にも向こうから話しかけてきた。
「やぁ転入生。身体の調子はどうだ?」
「あっ、はい、大丈夫です」
変わった口調だなぁ……と思いながら返答し、気付く。
「あの、もしかしてあなたが……」
「そうだよクラッド。彼女がキミを治してくれたんだ」
レインの言葉に驚く僕を見てか、彼女は微笑みながら手を差し出してくる。
「ルミナリエ・ラインホルトだ。ルミナと呼んでくれ。私もクラッドと呼ばせてもらおう」
「はい、ありがとうございました、ルミナさん」
治してもらった感謝を込めて手を取るが、ルミナさんは微笑したまま手を放そうとしない。
それどころか、握る力がだんだん強くなってるような……。
「私は敬語やさん付けが嫌いなんだ。もっと楽に話してくれないか?」
痛い、痛い、痛い!
「わかり……わかった! よ、よろしく、ルミナ!」
最初のコメントを投稿しよう!